第23話 南蛮・紅毛の唄
現在の出島あたりは長崎市の事業として、出島復元事業が行われていて、そのための長崎市の施設が置かれています。
シーボルトが描いたといわれる明清楽の楽譜をネット上で見たことがあります。この楽譜、2010年に発売になった「高浪慶太郎となんがさきふぁいぶ」さんがつくられた『龍馬のハナ唄(赤盤)(青盤)』でも紹介されています。
この明清楽といえば、月琴の中村キラさんなんですけど、私は中村キラさんと温か〜い思い出が一つありまして、自宅にお呼ばれしたことが一度あるんですね。その時に、本当に心が通い合った瞬間があって…。その時のことを、またブログで書けたらいいなあと思っています。
この紅毛、南蛮の唄を朗読していて蘇ってきたのが、今年のおくんちの出島町さんの阿蘭陀船です。10月7日朝の奉納踊りを、私はテレビで全踊町さんを拝見していました。出島町・阿蘭陀船の掛け声ですね。囃子の音色と掛け声を聞いた時に、涙が止まらなくて不思議でした。昔聞いたことがあるんでしょうかね。懐かしいというか、前世で聞いていたのかしらね、と思いながら、出てくる涙をそのままあふれさせていました。合いの手がすごく難しくて、はいり方が難しいんですけど、阿蘭陀船の出し物で、紅毛・阿蘭陀の歌を感じて頂けたんじゃないかな〜と朗読しながら思いだしていました。
この朗読の中でもう一つ、そう、涙が出てとまらなくなったところがあって、「七代の後には、丸にやの字の帆を上げてパーパの船が必ず入ってくる。その時は縁先に出て大きな声ではれてお祈りができるのだ」という、あの1行は涙があふれて仕方がなくて、何度も何度も声に出して魂が浄化されていくのを感じました。きっと、昔、キリスト教を信じて信じていた先祖というか、前世だったのかな〜なんて感じながら読ませていただきました。
方言で素直に歌を歌うという時が、私にもやってくるのかなという予感がしています。
ここ1ヶ月位、五島のベベンコビッチさんであったり、時津町在住の山本育瑚さんの歌であったり、長崎に暮らしながら、その町に暮らしながら表現をしている人達がたまらなく輝いて感じられるんですよね。私もまた、私の身体の中から音楽がわいてくる時機を待っているというか、もうすぐそこまできているような気もしています。来年が楽しみです。