第25話 シーボルトの孫たか女の話
山脇たかさんのお話、いかがでしたでしょうか。
新しい年となりまして、この山脇たかさんのお話が『長崎ものしり手帳』シリーズ2の最後のお話となりました。
山脇たかさんの出生についての語り口のところなど、古賀十二郎先生の配慮、そして永島正一さんの配慮が感じられて、私が一番勉強になったのは、その品格のところです。
人間性や品格というものの大切さを痛感しました。おいねさんの苦悩、たかさんの苦悩を思うと、男性の…男性のとは限らず、人間性、品格の大切さを痛感しました。
この『長崎ものしり手帳』を朗読させていただく8ヶ月の間、言葉にすると魂の浄化という表現が合っているんじゃないかと私は思うんですけれども、生い立ちからくる心に背負っている荷物というんでしょうか、心に蓋をしているものというんでしょうか、それがどんどん蓋が開いていったり、荷物が降ろせて軽くなっていくことを感じました。
それだけ言葉を発するということは、大切なことなんだということに気付かせていただきました。
朗読セラピーという分野があるということも知りましたが、本当だなと思います。朗読は癒しにつながるんだということを体感しています。
そして、この『長崎ものしり手帳』とじっくり向き合う中で、私はまた新たに歌を歌いたいという思いを得ることができました。
今年の目標は、12月8日にアルバムを出すことです。“歌種の子守唄”というアルバムをつくろうと思っています。
『長崎ものしり手帳』の中でも登場したピナテールですとか、あとオランダに渡った遊女の方のお話をベースにした歌をつくったりしていきたいと思っています。多くの時間をこのアルバムに向けて過ごしたいと思います。
そして、もちろん歴史の勉強も重ねながら、また朗読のチャンスがいただけた時に「はい、できます」と言えるように準備も重ねていきます。
長い間、『長崎ものしり手帳』朗読を聴いてくださって、本当にありがとうございました。またどこかで出会えますように。