金と銀。これは世界中どこでも通用する通貨として使用されました。我が国では、流通経済の盛んな西日本では、生野銀山から継続的に算出される銀を主体に取引がすすみ、東日本では金が主体で、金・銀の交換比率は相場により変動し、江戸と大坂では国際為替にも似た取引が行われていました。ところが世界的には、新大陸からのメキシコ銀が大量に供給され、金と銀のバランスが大いに崩れます。結果的に、我が国では金に対して銀が相対的に過大評価され、外国人はこの差に注目します。日本で銀を金に交換し、上海で銀を金に交換し、その銀をまた日本に持ち込む、この繰り返しだけで、大きな利益が転がることになります。今回は、為替に疎い幕府を出し抜いて…というお話をお届けします。
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